―「緑丘U-30」発刊五周年に寄せて―
平子 知明(平17年卒)
本号をもって「緑丘U-30」は発刊五周年を迎えることができました。冒頭、これまで寄稿してくださった皆様、お力添え頂いた会報委員の諸兄姉、本欄にお目通し頂いた会員の皆様に心から感謝申し上げます。 今回は「緑丘U-30」発刊当時を振り返りながら、現状を踏まえて「緑丘U-30」の今後の役割について述べたいと思います。
一五年前、入学式時に緑丘会への入会窓口を開設し、現役学生を緑丘会の賛助会員としてお迎えするとともに、卒業後三年間分の緑丘会費を前納で頂くという対応を行ったことに端を発します。これにより、現役学生にも緑丘会の会報『緑丘』をお届けすることで、より緑丘会を知っていただこうという試みもスタートしました。 しかし、当時の『緑丘』は現役学生や若手卒業生からの寄稿はあったものの、率直に申し上げて現役学生や二〇歳代の卒業生が有益と感じる記事は少ない状況でした。そのため、今から六年前に当時の坂本会報委員長、岩元現会報委員長をはじめとした会報委員の皆さんのご理解を得て、ターゲットを現役学生・二〇歳代卒業生に絞り込み、現役学生には卒業生と、卒業生には自分たちと同年代(又は少し先輩)の卒業生と現役学生とを繋ぐ記事を掲載するコーナー、つまり紙媒体での「緑丘会へのポータル」としてこの「緑丘U-30」を立ち上げました。 立ち上げに際しては、当時先行して開始していたインターネット放送の緑丘チャンネルとのコラボレーションなどマルチメディアでの展開を念頭に置いたこと、また他大学の同窓会で行われている若手卒業生向け雑誌(同窓会報とは独立した雑誌)に類似した手法として、『緑丘』内では独立紙面(色紙の使用、段組みの変更、写真の使用など)をコンセプトにしてきました。
毎号少なからず会報委員会に寄せられる会員からの声もあり、微力ではありますが「緑丘会へのポータル」の役割を果たしてきたことに加えて、このような若手卒業生の活動や感覚に対する緑丘会全体への理解も浸透させることができたとも感じています。 発刊から五年間を経て、とりわけ島崎理事長体制となってから、ホームカミングパーティーや緑丘ビジネス塾などを通じた二〇歳代卒業生の緑丘会への参加が徐々に進んできました。一方で、紙面を越えた現役学生とのコラボレーションではあまり深まっていない状況にあり、それを促進していくことが今後の「緑丘U-30」の「緑丘会へのポータル」という役割において注力すべき課題であると捉えています。
もう一点、「緑丘U-30」にかかわらずあらゆる活動において言えることですが、二〇歳代卒業生の皆さんが、緑丘会の運営へ参画し易くするような受け皿を作るということも課題と捉えています。私自身も卒業から一三年経ち、周囲には新しい感覚を持った卒業生がたくさんいます。その感覚を活かすことが今後の「緑丘会のポータル」としての「緑丘U-30」も緑丘会活動も進化するための原動力となると確信しています。この一年で二〇歳代卒業生と活発な意見交換をし、意欲的な卒業生とともに作り上げた構想を実行へと結び付けたいと考えています。
結びとなりますが、緑丘会はイベントに参加するなどの“目に見える卒業生”だけでは成り立ちません。この「緑丘U-30」を読んでくださる方も含めて、同じ商大を卒業した仲間での結束を高めるとともに、皆さん自身の活力に少しでもお役に立つような紙面づくりをしてまいります。今後もご愛顧のほどよろしくお願いいたします。