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会員からの寄稿

ウイーンと小樽 -その広がり

昭和61年卒 タオデス(玉柳)江利子

小樽商大は海外15カ国、23大学と協定を締結しているそうですが、ウィーン経済大学もその一つです。オーストリアの国立大学で、商大と似たような学部構成、夫が情報システム・オペレーション学部で教授を務めております。商大とウィーン経済大とのご縁は30年前に遡ります。恩師早見弘教授の研究室へ結婚の報告を兼ねてご挨拶に夫婦で伺った折、その当時ウィーン経済大の助手になったばかりの夫へ「研究者だったら小樽で遊んでいないで勉強したまえ」というありがたいお言葉を賜り、コンピューターセンターと図書館に顔つなぎして出入り自由にしてくださいました。夫がチョロチョロしていると、何人かの先生たちが話しかけてくださり、交流が開始、それがのち2000年には大学間での正式な協定に結びつきました。

代々の学長をはじめ、何人もの先生たちを当地にお迎えし、在外研究でウィーンに短期滞在なさった先生もいらっしゃいます。留学生はここ数年ほぼ毎年来ており、連絡をくれた学生には我が家での夕食にご招待という特典があります。その代り、昔の商大の様子や学生時代の愚行の数々を語る私のお相手をしなければなりませんが、それもまた一興としておきましょう。こちらも現在の学生気質に触れ、学生生活の変遷もわかり、感慨深いものがあります。私の学年は女子学生が1割しかいませんでしたが、現在のように半数にも及ぶようになると、商大の校風は変わらざるを得ないのでしょう。卒業後に母校と関わることは何かのイベント以外ではあまりないと思われますが、夫のおかげで商大関係者の皆様と接する機会を持てて幸せに感じております。

ウィーン経済大の国際交流課に問い合わせましたところ、現在まで11人の学生が留学してきており、8月に開催される短期のサマースクールにも4人ほど参加しているそうです。ウィーンからも18人が商大で学んでいます。ウィーン経済大は日本では商大の他に筑波、慶応、神戸大などの大学と学生交換していますが、ウィーンからの学生の一番人気はなんと小樽商大なのです。受け入れ態勢が整っていることに加え、小さな大学ゆえのケアが行き届いているからと聞いております。また、スキー場がすぐ近くにあるのも魅力という感想はスキー王国オーストリアからの学生らしく微笑ましく思います。

2000年以来両大学間で信頼できる関係を築いて来た証として、17年12月からは無期限の協定となりました。今後、商大とウィーン経済大の交流がますます盛んになることを期待いたします。ヨーロッパでは難民問題、極右の政党(オーストリアでは連立政権に参加)の台頭など、近年いろいろ気になる動きがあります。また、外国にいると、日本での様子がうまく伝わって来ないと感じることが多々あります。学術提携を通した交流で、なかなか外には伝わらない空気を現地で見て感じ取る、そんな広がりも小樽商大とウィーン経済大の関係者の間に生まれていくのを見ていきたいものです。

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